1983年夏、ひと目惚れなど信じない国文学科2年のソ・インウは、積極的で愛らしい彫塑科2年のイン・テヒに出会う。いきなり自分の傘の中に飛び込んできたイン・テヒ。雨に濡れた真っ黒な髪。きれいな顔そして生意気な口調まで、インウの心は完全に彼女の虜になってしまう。彼女の存在だけで胸が躍り、その人の手に触れられたものであればなんでも大事にするほどに気持ちが膨れ上がっていく。喧嘩をしてもう会わないと言いつつも、またすぐに会いたくなるほどに恋焦がれる彼らに、兵役による別れの時が近づく。しかし、その別れの期間は短いだろうとお互いに慰めあったその瞬間は永遠に続く・・・
2000年春、愛の記憶だけを胸に抱いたまま新しい生活を送っているインウ。彼は立派な家庭をもつ高校の国語教師だ。しかし、まだテヒを忘れられない彼に、再びほとばしる感情の嵐。17年前のある夕立の夏、自分の傘の中にいきなり入ってきたテヒのように、彼の人生を動かす人。彼女のように小指を立てる癖があり、彼女の顔が刻み込まれたライターを持っていて、今までにない好奇心を与えてくれるその人は一体誰なのか?時間が経てば経つほど、17年前、自分が一目で愛を知ったように、その人も徐々に、愛の記憶を蘇らせていくが・・・